アイシングは怪我の有無に限らず有効
Posted at 10/05/20 PermaLink»
息子が学童野球をやっています。
キャッチャーというポジションのせいなのかわかりませんが、膝を痛めて1週間程度、練習・試合を休みました。
整形外科に連れて行き、レントゲンの結果異常なし。湿布を貼ることになりました。
関節の痛みは職業病?と思い始めていますが、いかにして怪我、負傷を減らすか。
膝のサポーターを買いましたが、諸先輩の話によると「アイシング」が有効とのこと。ある先輩は、「甲子園に行ったキャプテンも言っていた」というくらいなので、まず信じて間違いないと。
アイシングといえば、ピッチャーが投げ終わると、でっかいのを肩に巻き付けているイメージがありますが、効果としては「炎症をおさえる」くらいしか想像していませんでした。
ところが、アイシングについて調べてみると、なんと効果が大きいことか!
負傷したときもそうでないときも、良い効果が多いではないですか。
○アイシングの効果
①怪我の場合のアイシング効果
怪我をした場合、どのようなことがおこるかというと、組織細胞、血管、神経は断裂や破壊が起こる(一次的損傷)このとき、神経へのダメージは痛みの感覚が起こる。次に破壊された血管から組織に出血が起こる。出血した血液は、損傷を受けた組織、血管、及び神経細胞などの中に捕らえられ、血腫と呼ばれる塊となります。
そしてここからが大事です
アイシングを行わないと、次のようなことが起こります。
・周辺の損傷を受けていない組織が、損傷した血管及び炎症反応(血腫)によって血液の流れが悪くなり、正常な組織に対する酸素の供給が絶たれ酸素不足で代謝変化が起こる。最悪の場合には細胞が壊死することに。この「低酸素状態」の細胞は、血腫や出血に加わるとさらに血腫が拡大。この炎症過程において細胞片を消化するために壊死した細胞から酵素が出され、この酵素により正常な細胞の細胞膜まで破壊し始め、更に細胞の壊死を招く。
つまり、外傷による損傷が拡大して行く!
アイシングすることでどうなるか。→損傷の拡大を抑え、回復を早める!
・周囲の血管の収縮がおこり、損傷部分周囲に流れる血流量が減少。また、その組織及び組織周辺の毛細血管透過性も減少し、損傷を受けた組織周囲の内出血が最小限にくい止められます。血腫についても、最小限の大きさで押えられ、その後の周辺細胞への悪影響も、血腫やそれによるストレスが少ないため、拡大することが少なく、損傷部分の回復が早くなります。
・冷却効果により、局部的な体温低下がおこり、局部におけれる新陳代謝が低下。それによって、血腫による低酸素所状態がおこっても、最小限の細胞の壊死だけですむことに。壊死した細胞片を消化する酵素も活動が制限され、健常な細胞の破壊を最小限にくい止めることになります。また、新陳代謝の低下により、発痛物質の生成も減少します。
②普段の運動後のアイシング効果
・運動は筋繊維の損傷と同じ
激しい運動は軽度の怪我と同じ状態がおこっています。
練習により筋力を強化するメカニズムは、筋繊維を破壊し、それが回復することで以前より太くなるという過程(超回復理論)ですが、それほどの練習はしていないと考えていても、筋肉を使って運動する以上は、それによる筋繊維の破壊が少なからずおこってるので、超回復がおこり筋力が強化する過程は同じです。
筋繊維の破壊がおこるということは、各所に損傷がおこっているということですので、怪我の小規模なものがおこっている状態といえます。
・運動後のアイシング効果
冷却を行うことにより、局部的な損傷のみで、他の部位への悪影響を食い止めることになり、効果的に回復できます。また、局部的な新陳代謝の低下により、運動による慢性的な傷害(疲労骨折や慢性的な捻挫など)の予防にもつながります。
・疲労回復が早くなる
局所冷却により、一時的に新陳代謝の低下や血管の収縮がおこるが、その後局所冷却をやめたり、温水につけるなどの加温を行うと、血管が拡張し血流が多くなり、新陳代謝が低下している組織に過剰な血液が流れます。
その結果、疲労などの原因の「乳酸」やその他「老廃物」を除去し、結果として疲労回復が早くなります。
③アイシングはなるべく早く
・受傷又は運動後なるべく早く(数分以内)アイシングを開始するのが効果的です。時間がかかるほど炎症の要因が広がるので、効果は低くなります。
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